in the place...

in the place...(現場で) また、いつか会う人のためにも、これから出会う人の為にも、そんな出逢ったときの話のネタにして欲しくて・・・。 全ては、in the place.現場で起きています。

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The another story of ...#15

「――残念だったな。急な用件か?」

「そ、そうではないですが……」

会社の屋上で、僕と舞さんは柵に寄りかかりながら話をしていた。
そこで舞さんは、しずかちゃんが出張中でいないことを告げてきた。
完全に予定が外れた僕は、残念な気持ち半分、ホッとした気持ち半分の、複雑な心境で缶コーヒーを一口飲み込んだ。

「事前に連絡してれば、ちゃんとした日付を指定してやれたんだがな」

「……いや、舞さんがいたことをすっかり忘れてまして……」

「……ケンカ売ってるのか?」

「滅相もありません。すみませんでした」

「まったく……あれだけ心躍る出会いをしたというのに、忘れるとは……」

(衝撃的な出会いだったのは間違いないけど……)

すると舞さんは体を反転させ、外の方を見ながらタバコを吸い始めた。

「タバコ、吸うんですね……」

「まあな。まあ、印象はよくないから、人前だとあまり吸わないがな」

「確かに、見る人が見れば批判しそうですね。……でも、似合ってますよ」

「フォローしてるつもりか?」

「滅相もありません」

「……少しはフォローしろ」

それから僕らは、屋上から街を見渡した。
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The another story of ...#14


「ど、どうしてここに!?」

(あれ?デジャヴ?)

何だか前にも似たようなことが……

「……この前の、お礼を言いに来たの……」

「………へ?」

「ありがとう、のび太さん。私、嬉しかった。あなたが来てくれて……」

この前?この前とはいったい……
僕がどこに来たって?

言葉の真意は分からないが、しずかちゃんは目に涙を浮かべていた。

「私、とっても不安だったの。たった一人取り残されて、どうすればいいか分からなくて……」

「は、はあ……」

「でも、あなたが来てくれた。あれだけ酷いことをした私を、大切だって言ってくれた。……それが、本当に嬉しかったの……」

いやいやいや、本当になんのことでございましょうか。

「……まあ、のび太さんが持って来た缶詰は食べられなかったし、雪山にコートで来るのもどうかと思ったけど……それでも、私はあなたのおかげで助かったの……」

(缶詰?雪山?コート?――――――――あ)

それらの単語を集計した後、僕は思い出した。

「――でも、どうして私が遭難したって分かったの?」

(……それ、子供の僕ぅううううううううう!!!!)


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The another story of ...#13

「――おい、野比」

「……え?あ、はい」

会社で、突然上司に呼び止められた。
何だろうかと思っていたら、上司はとある人物を指さす。

「……あいつ、どうしたんだ?」

「あいつって……」

上司の指の先にいた人物は……

「……咲子、さん?」

「そうそう。見ろあの様子を――」

……確かに、彼女の様子は誰が見ても異常事態だった。
ソファーに座りぼんやりとしながらも、頬は常に緩んでいる。熱でもあるのかと思うくらい顔は桃色に染まっていた。
さらに一番奇妙なのは、突然真顔になったと思ったら、すぐにとろけるように顔が緩む。

(ちょっと咲子さん……)

いくらなんでも、緩み過ぎでは……

――と、その時。

「……なあ野比。ここだけの話だが……」

「は、はい……」

「……幸せに、してやれよ……」

「―――ッ!?」

「ハハハ……!!部下のことなど、お見通しだよ!!ハハハ……!!」

そのまま上司は、笑いながら去って行った。
何だかんだで部下のこと、見てるんだな……

――誰かに漏らさないことを、切に願う。

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The another story of ...#12

それから、季節は流れていった。
気が付けば、あれだけ猛威を振るっていた夏は終わりを迎え、秋が訪れた。
食欲の秋。芸術の秋。僕の場合、昼寝の秋。

会社では、夏の終盤にかけて怒涛の激務ラッシュが押し寄せ、目の回るような忙しさとなった。
おかげでジャイアンとスネ夫に連絡もろくに取れないし、それどころかおちおち昼寝も出来なかった。

……しずかちゃんとは、あれっきりだった。
何度か電話をしてみたが、いつもコール音だけが僕を待っていた。
たぶん、嫌われてしまったのかもしれない。それも無理もない話だと思うが。

あの一件は、ジャイアンに相談してみたりもした。
ジャイアンからは怒られたが、それでも、僕に悪気がなかったことは分かってくれていた。
『一度謝り入れとけよ―――』
そう言われたが、電話にも出ない状態だと、いきなり家に行くのもマズイだろうから、結局謝ることは出来ていなかった。

今頃しずかちゃんは、何をしてるのだろうか……
出木杉と、仲良くしてるのだろうか……
不安に感じる夜が多くなった。

――そんな僕の支えは、ドラえもんからの手紙だった。

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The another story of ...#11

「……どなたですか?」

玄関を開けた瞬間、僕は凍り付いた。

「……具合、どう?」

一瞬、目を疑った。でも、間違いない。

「――し、しずかちゃん!?」

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The another story of ...#10

民宿を出るころには、ジャイアン達もようやくなんとか回復していた。少しまだフラフラしてるけど、夜よりは何倍もましのようだ。

しかしながら、人生とは難しいものだ。
地獄を見ていた二人を介抱したのが僕。だが家に帰ってから、今度は僕に地獄が訪れていた。

「……あぅぅ……し、死ぬ……」

帰宅した僕は、なんとなく体の怠さを感じ、その日は早く寝た。次の日が仕事でもあったし、体調管理に万全を期すことこそ、一人前の企業戦士だからだ。

……だが、翌朝、あまりの気怠さに目を冷まし、水銀の温度計を使用したところ、なんと数値は39度オーバーを叩き出していた。
どうやら、相当疲れていたようだ。

仕方なく会社に連絡を入れ、その日は休むこととした。
本日の企業戦士は、しばしの休息となった。

――ピンポーン

寝ていた僕は、玄関から鳴り響くチャイムの音に目を覚ます。
時刻は夕方。
こんな時間に来るのは、大抵新聞の勧誘であることを、僕は知っている。

フラフラとしながら玄関に向かい、ガチャリとドアを開けた。

「――新聞ならいりませんよ」

「……新聞?なんのこと?」

「…………へ?」

目の前にいた人物は、キョトンとしていた。まあいきなり新聞の勧誘と間違えられたわけだし、無理もないわけで……
――いやいや。そうじゃなくて、その前に……

「さ、咲子さん?なんでここに……」

僕の問いにニッコリと笑みを浮かべた咲子さんは、手に持っていた膨らんだスーパーのビニール袋見せる。
そして……

「――晩ごはん、作りに来たの。……おじゃま、してもいい?」

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The another story of ...#9

「――いやいや、さすがに驚いたね……。まさか、のび太としずかが知り合いとはね……」

海の家に移動した後、舞さんは中ジョッキのビールをグビグビ飲みながらそう話す。

「本当っすねぇ。世間って本当に狭いもんすね」

「ほんとほんと」

それに続き、ジャイアンとスネ夫も言葉を漏らす。

「……それにしても、あの二人は、なんで黙りこんでるんだ?」

舞さんの言葉に、ジャイアンとスネ夫はこちらを向いた。

「……」

「……」

僕としずかちゃんは、隣同士に座ったまま、顔を隠すように俯いていた。
何か話さなきゃとは思う。だけど、言葉が出ない。それはしずかちゃんも同じようで、楽しそうに話す舞さん達とは違い、重苦しい空気が、僕としずかちゃんを包んでいた。

そんな僕らを見たジャイアンは、舞さんに耳打ちをする。

「……まあ、色々あるんすよ……」

「ふ~ん……」

「……ねぇねぇのび太ぁ」

「は、はい?」

いきなり、舞さんが這いながら近づいてきた。そしてなぜかまた猫なで声。

「あ、あの……舞、さん?」

「……」

「ねぇねぇ、二人でどっか行こうよぉ」

「ちょっと舞さん、何言って……」

「いいからさぁ。ねぇねぇ」

「ちょっと舞さん――!!」

しずか「――ッ!!」

突然、しずかちゃんは席を立った。急な出来事に、僕らはただしずかちゃんを見つめる。視線が集まるなか、しずかちゃんは、そのまま海の家を出ていった。

(な、なんなの……)

呆然としていると、舞さんは突然肩を叩いてきた。
振り返れば、僕を見つめる舞の目。その目は、とても優しいものだった。

「……行ってやれ、のび太。お膳立ては、してやったからな」

「……え?」

「いいから。――お前も、男なんだろ?」

「……」

舞さんは、変わらない瞳で僕を見ている。これに、応えなきゃいけない。
そう、思った。

「――はい……!」

そして僕も席を立ち、海の家を飛び出す。そのまま砂浜を駆け出した。
遠くに見える、あの背中を追って――

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もはや本名で出会う必要はないでしょう

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