in the place...

in the place...(現場で) また、いつか会う人のためにも、これから出会う人の為にも、そんな出逢ったときの話のネタにして欲しくて・・・。 全ては、in the place.現場で起きています。

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The another story of ...#5

「ま、まさか……!!」

慌てて、裸足のまま外へと駆け出した。そして、アパートの周辺を走り回った。

「ドラえもん!!どらえもん!!!」

ずっと、名前を呼び続けた。
……でも、声が返ることはなかった。

しばらく探し回った後、一度家に帰る。そして、もう一度手紙を見てみた。
よく見れば、手紙はまだ新しい。まるで、つい最近書かれたかのようだった。

(どこかにいるんだ……ドラえもんが、どこかにいるんだ!!)

でもそれなら、どうして姿を見せないのだろう。何か理由でもあるのだろうか……

……考えても分からない。分からない―――けど……

(……ドラえもんが、僕を見ている。――応援してくれてる!!)

――僕の中で、何かが芽生えた。それまで消えてしまっていた、何かとても大きなものが、確かに僕の心に溢れていた。

「――野比!!この書類だが―――!!」

「――はい!!すぐ訂正します!!どこを直せばいいですか!?」

「お、おう……ええと……こ、ここをだな……」

「そこですね!?分かりました!!すぐ訂正します!!」

「あ、ああ……」

デスクに向かうと、すぐにパソコンのキーボードを叩き始める。カタカタと、キーを叩く音が軽快に、断続的に流れていた。

――ふと、机の隅に置いた便箋に目をやる。

「………」

(……ドラえもん。僕、頑張るよ……!!)

そして、画面に視線を戻した。

「――のび太くん……今日はどうしたの?」

休憩時間にジュースを飲んでいると、咲子さんが聞いてきた。

「え?何が?」

「いやだって……なんか、いつもと全然違うし……」

「そうかなぁ……」

「うん!全然違う!なんかこう……生き生きしてる感じがする!」

「……まあ、がっかりさせないようにしないといけないしね」

「なんのこと?」

「……なんでもないよ。でも、そんなに変かな?」

「う、うんうん!全然変じゃない!むしろ―――!!」

そう言うと、咲子さんは固まってしまった。
なんか、目をパチクリさせてる。

「……?どうしたの?」

「な、なんでもない!!なんでもないから!!」

「え?でも、顔赤いよ?」

「~~~ッ!!な、なんでもないの!!」

そして咲子さんは、そのままどこかへと走り去って行った……

「……なんなんだ?いったい……」

仕事帰り、いつもの帰宅コースを大きく外れ、僕はいろんなところを通りながら歩いていた。
理由はもちろん、彼を探すためだ。

(……やっぱりいない、か……)

キョロキョロと付近を見渡しながら歩く姿は、もしかしたら不審者のように見えるかもしれないな。
やはり、何か姿を見せることが出来ない理由があるのだろうか……
気にはなったが、いくら考えても答えなんて出るはずもなかった。

それでもしばらく探し回って、家に帰った。

帰りつくと、家の郵便受けには、また、一通の便箋があった。

「―――!!ドラえもん!?」

慌てて家の中に家の中に駆け込み、鞄を放り投げて、立ったまま手紙を開く。

――――――――――――――――――――――

のび太くんへ

今日はどうだった?久々に充実しなかった?
それが、生きるってことなんだよ。
疲れたかもしれないけど、毎日を一生懸命過ごせば、毎日が輝くんだよ。

確かに、一生懸命頑張っても、叶わないこともある。
だけど、その途中で経験したことは、必ずキミの大きな財産になるんだ。

僕は、キミのことを手伝うことは出来ない。
だから、キミがやらなくちゃいけない。
そして何かあれば、責任も取らなくちゃいけない。

だけど、頑張っていれば、きっと誰かが助けてくれるから。
キミの頑張りを、きっと誰かが見てくれているから。
そこに、大きな意味があるんだよ。

頑張れ!のび太くん!
僕にはそれしか言えないけど、頑張れ!のび太くん!
頑張れ!


―――――――――――――――――――――


「……ドラ……えもん………ドラえもん……!」

――涙が、溢れて来た。

ドラえもんの言う通りだった。今日一日は、とても充実していた。
どうしようもなくて、毎日がつまらなくて、いつも周りに流されていた。
そんな僕を、彼は助けてくれた。
姿はなくても、声は聴けなくても、彼は、僕に手を差し出してくれた。

……それがとても嬉しくて、とても暖かくて、僕は、その場で何度も何度も手紙を読み返した。

気が付けば、手紙の文字は滲んでいた。だけど彼の言葉は、間違いなく僕の心に刻み込まれていた。

つづくよ
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