in the place...

in the place...(現場で) また、いつか会う人のためにも、これから出会う人の為にも、そんな出逢ったときの話のネタにして欲しくて・・・。 全ては、in the place.現場で起きています。

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The another story of ...#9

「――いやいや、さすがに驚いたね……。まさか、のび太としずかが知り合いとはね……」

海の家に移動した後、舞さんは中ジョッキのビールをグビグビ飲みながらそう話す。

「本当っすねぇ。世間って本当に狭いもんすね」

「ほんとほんと」

それに続き、ジャイアンとスネ夫も言葉を漏らす。

「……それにしても、あの二人は、なんで黙りこんでるんだ?」

舞さんの言葉に、ジャイアンとスネ夫はこちらを向いた。

「……」

「……」

僕としずかちゃんは、隣同士に座ったまま、顔を隠すように俯いていた。
何か話さなきゃとは思う。だけど、言葉が出ない。それはしずかちゃんも同じようで、楽しそうに話す舞さん達とは違い、重苦しい空気が、僕としずかちゃんを包んでいた。

そんな僕らを見たジャイアンは、舞さんに耳打ちをする。

「……まあ、色々あるんすよ……」

「ふ~ん……」

「……ねぇねぇのび太ぁ」

「は、はい?」

いきなり、舞さんが這いながら近づいてきた。そしてなぜかまた猫なで声。

「あ、あの……舞、さん?」

「……」

「ねぇねぇ、二人でどっか行こうよぉ」

「ちょっと舞さん、何言って……」

「いいからさぁ。ねぇねぇ」

「ちょっと舞さん――!!」

しずか「――ッ!!」

突然、しずかちゃんは席を立った。急な出来事に、僕らはただしずかちゃんを見つめる。視線が集まるなか、しずかちゃんは、そのまま海の家を出ていった。

(な、なんなの……)

呆然としていると、舞さんは突然肩を叩いてきた。
振り返れば、僕を見つめる舞の目。その目は、とても優しいものだった。

「……行ってやれ、のび太。お膳立ては、してやったからな」

「……え?」

「いいから。――お前も、男なんだろ?」

「……」

舞さんは、変わらない瞳で僕を見ている。これに、応えなきゃいけない。
そう、思った。

「――はい……!」

そして僕も席を立ち、海の家を飛び出す。そのまま砂浜を駆け出した。
遠くに見える、あの背中を追って――

「――し、しずかちゃん!待ってよ!しずかちゃん!」

「……」

僕の呼び掛けに、彼女はようやく足を止める。いつの間にか海水浴場からは離れてしまい、 人の姿なんてなくて、波の音、カモメの声、小さく聞こえる人々の喧騒だけが響いていた。

「……し、しずかちゃん……」

「……なに?」

「どうしたの、いきなり飛び出して……」

「……のび太さんの……バカ……」

「……え?」

「……何でもないわよ……」

「う、うん……」

「……」

……たった数言、そう話しただけで、僕達はまたも黙りこんでしまった。

そのまま立ち尽くして僕らだったが、少し時間が経ったころに、ようやく波止場に移動することになった。
二人並んで座り、海を見る。
波は白い轍を作り、外から内へとさざ波の音と共に近付いてくる。陽射しは強いが、海風が吹いてるからか、そこまで暑さは感じない。その風に運ばれてくる潮の香りは、なんとも言えない心地よさを演出する。

「……海、綺麗だね」

「……ええ。そうね」

ようやく出たその言葉に、しずかちゃんは静かに言葉を返す。

少しだけ、昔に戻った気分だった。
あの頃の僕らは、こうして二人並び、色々なことをした。絵本の中に入ったり、過去や未来に行ったり……時には危険なこともあったけど、最後には必ず笑いあっていた。

――未来から来た、彼と共に……

彼のことを思い出すと、閉ざされていた僕の口は開き、自然と言葉が出た。

「……ねえ、最近どう?仕事忙しい?」

「……うん。やっぱり忙しいわね」

「大変だね。でも、今日は休みとれたんだ」

「取れたって言うのかな……課長がね、言ったの。働くことも仕事なら、休むこともまた仕事だって。それでもなかなか休めなくていたら、この通り。無理やり連れてこられちゃった」

「ハハハ……」

……舞さん、やっぱ課長なんだ……全然見えない……

「ほんと、課長には感謝してるわ。いつも私をサポートしてくれるし、優しいし……」

そう話すしずかちゃんは、とても生き生きとしていた。本当に、今の仕事が好きなのだろう。
そこで僕は、とても気になることを口にした。

「……出来杉は?」

「え?」

「出来杉は……一緒に仕事してるわ。彼ね、今度のプロジェクトのリーダーになったのよ。とても、張り切ってるわ」

「……そう、なんだ……」

……出来杉は、やっぱり凄かった。
二人が働くのは大手企業。その、プロジェクトリーダーなんて、なかなかなれるものではない。しかも、あの若さで……

出来杉は、僕なんかとは全然違う。

そのことが、酷く惨めに思えていた……

「――さて、そろそろ帰らなきゃ」

彼女は、その場を立ち上がる。そして、一度大きく体を伸ばした。

「え?もう帰るの?」

彼女は、困ったような笑みを浮かべる。

「……うん。仕事が残ってるの」

「今日くらいは、ゆっくりしたら?」

「そうなんだけどね……」

「ストレスだって、溜まってると思うよ?無理しなくても……」

「大丈夫よ、のび太さん。確かに、ちょっと疲れてはいるけど」

「だったら――」

「――でも、気分はいいの。とっても……」

そう話すと、彼女は遠くの海を眺めた。まるで海風に全身で触れるように目を閉じる。
とても、穏やかな顔で……

その顔を見たら、それ以上のことを言えなくなってしまった。
だから僕も、同じように海を見た。
遠くに見える入道雲が、ふわふわと風になびかれ形を変える。

「――のび太さん、あの雲、笑ってるみたい……」

「え――?……あ、ホントだ……」

大きな白い雲は、僕らを見守るように、空から優しく微笑みかけていた。

それから、しずかちゃんと舞さんは帰っていった。

『感謝するよ、のび太。おかげで、しずかはリフレッシュ出来たみたいだ』

最後に、舞さんはそう言った。
でも、正直僕は何もしていない。話だって少ししか出来なかったし。
それで持ち直したのなら、それはきっと、しずかちゃん本人の力なんだと思う。

ちなみに、ジャイアンとスネ夫は、完全に酔いつぶれていた。
何でも、酒に酔わせて舞さんの連絡先を聞こうとしたらしいが、逆に潰されたとか。
確か、ジャイアンはかなり酒が強い。
それをも上回る酒豪とは……舞さん、恐るべし。

二人が酔いつぶれていたこともあり、その日僕らは帰らず、近くの民宿に一泊した。
その日の夜、二人は地獄を見ていたが。
酒は、ほどほどに。



リアル舞さんと一緒に飲みたくなりました。
楽しそうだな。
まだ、つづけるよ
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