in the place...

in the place...(現場で) また、いつか会う人のためにも、これから出会う人の為にも、そんな出逢ったときの話のネタにして欲しくて・・・。 全ては、in the place.現場で起きています。

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The another story of ...#13

「――おい、野比」

「……え?あ、はい」

会社で、突然上司に呼び止められた。
何だろうかと思っていたら、上司はとある人物を指さす。

「……あいつ、どうしたんだ?」

「あいつって……」

上司の指の先にいた人物は……

「……咲子、さん?」

「そうそう。見ろあの様子を――」

……確かに、彼女の様子は誰が見ても異常事態だった。
ソファーに座りぼんやりとしながらも、頬は常に緩んでいる。熱でもあるのかと思うくらい顔は桃色に染まっていた。
さらに一番奇妙なのは、突然真顔になったと思ったら、すぐにとろけるように顔が緩む。

(ちょっと咲子さん……)

いくらなんでも、緩み過ぎでは……

――と、その時。

「……なあ野比。ここだけの話だが……」

「は、はい……」

「……幸せに、してやれよ……」

「―――ッ!?」

「ハハハ……!!部下のことなど、お見通しだよ!!ハハハ……!!」

そのまま上司は、笑いながら去って行った。
何だかんだで部下のこと、見てるんだな……

――誰かに漏らさないことを、切に願う。

「――咲子さん?咲子さん?」

「……ふえ?――え!?え!?な、何ッ!?」

「いや……そんなに驚かなくても……」

「ご、ごめん!!――じゃなくて!!ごめんなさい!!」

「なんでわざわざ敬語に……」

「あ!う、うん……なんか、緊張しちゃって……」

仕事帰りにご飯を食べながら、そんな会話をしていた。
付き合い始めて1週間。なんか、前より会話が出来ていない……というより、なぜか咲子さんが毎回毎回一緒にいると極度の緊張状態に陥ってしまっている。
こんな彼女を見るのは、初めてだった。

「咲子さん、どうしたの?今までと大して変わらないでしょ?一緒にご飯食べてるだけだし……」

「だって……何だか凄く恥ずかしいし……それに、同じじゃないよ。だって私達……つ……つつ、つ……つ、付き合って…るん、だし……」

彼女の顔は茹でタコのように真っ赤に染まる。
……あ、頭から湯気が出てる。

「……重症だね」

「……うん。もしかして……今の私、嫌?」

「そんなことないよ。ほら、ご飯食べよ」

「う、うん……!!」

彼女は、すっかり変わった。
前まではどんどん僕を引っ張る感じだったが、今では凄まじく恥ずかしがり屋に……
トラン〇フォーマーもビックリなくらいの、メタモルフォーゼかもしれない。

「ふぅ~……」

部屋に帰った後、一度大きく息を吐いた。

「まさか……こんなに変わるなんてなぁ……」

帰りに、咲子さんの手を握ってみた。
その瞬間、彼女は顔から火が出る勢いで真っ赤にさせ、下を向いたまま動かなくなってしまった。
……それでも、繋いだ手は決して離すことはなかった。

だから僕は、彼女を守りたいって思う。
こんな僕でも、彼女は幸せと言ってくれた。それが、とても嬉しかった。

ただ……


――カラン

「………」

郵便受けから音が鳴り響く。それはつまり、手紙が届いたということ。

このところ、手紙の頻度が少なくなった気がする。
定期的ではあるが、次の手紙までが間隔が空くようになった。

その理由については分からない。
とりあえず、僕は郵便受けの便箋を手に取り、中の手紙を取り出した。

―――――――――――――――――――――――――――

のび太くんへ


今キミは、心の中に、色んな想いがあるんだと思う。
どれが本物で、どれが偽物なのか。
キミは、それに悩んでいるんだと思う。

でものび太くん。人の気持ちは、いつも一つとは限らないんだよ。
その一つ一つが、きっとキミの本当の気持ちなんだと思う。
でも、それを全て出してしまうことは、難しいことなんだ。

人は、いつかは岐路に立つんだよ。
そこでどこに向かうのかは、その人にしか分からない。
キミもきっと、それで迷うことがあると思う。

そんな時は、キミの歩いてきた道を、一度振り返ってごらん。

そうすれば、きっと何かが見えるはずだよ。


――――――――――――――――――――――――


(自分の道を、振り返る――か……)

これまでの僕は、どんな道を歩いてきたのだろう。
小学生の時に彼が来て、夢のような毎日を過ごして、突然いなくなって、悲しみに打ちひしがれて……

自分の道を思い出した僕の脳裏には、彼の姿がいつもあった。

(……まるで、親離れ出来ない子供だな……)

そんな自分が何だかおかしく思えた。
今でも、無意識に彼の助けを望んでいるのかもしれない。
そんな、気がした……

眠るために瞳を閉じる。
薄暗い室内の枕元には、咲子さんのくれた置物があった。
それを見ると、ふと笑みがこぼれた。

「……おやすみ」

ここにはいない彼女に向けて、そう呟いた。



――ピンポーン

突然、部屋の呼び鈴がなった。
時刻は夜遅い。
いつもなら手紙かと思うが、手紙ならさっき来たばかりだ。
だとするなら、いったい……

「………」

少し、体が震える。
この世ならざるモノを信じるような歳ではない。
それでも、怖いものは怖い。

この恐怖から解放されるには、それが何なのか、確かめる必要があった。

おそるおそる、玄関に近付く。手にはハエ叩き。こんなものが武器になるとは思えないが、何か持っていないと不安だった。

そして、玄関を開けた―――

「――って、ええええ!?」

そこにいた人物の姿に、思わず声を上げてしまった。

「……こんな時間に、ごめんなさい……」

「し、しずかちゃん!?」



まさかのしずかちゃんの巻
では、また
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