in the place...

in the place...(現場で) また、いつか会う人のためにも、これから出会う人の為にも、そんな出逢ったときの話のネタにして欲しくて・・・。 全ては、in the place.現場で起きています。

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The another story of ...#19

それから僕は、実家を後にした。
街並みを見渡しながら駅まで歩き、電車に乗る。窓から見える景色を横目に、電車に揺らされていく。

そのまま家に帰り、荷物を片付けた後、とある人物に連絡を取った。
思いのほかあっさりと連絡が取れたのが幸いだった。

「……うん……そうだよ……じゃあ、待ってる……」

電話を切り、服を着替える。
これから、僕は歩き出す。

最期に家を出る前に、これまでドラえもんがくれた手紙を読み返した。
彼の言葉をもう一度心に注ぎ、家を出る。

踏み出す足は、少しだけ躊躇を覚えていた。
それでも、力強く足を踏み出した。


待ち合わせの場所は、町中にある公園だった。
そこのブランコに身を揺られながら、僕はその人を待つ。

少しだけ心臓が高鳴っている。だけど、どこか心地がいい。

僕は待ちながら、初めてその人のことを、思い出していた。
いつも可愛く、世話好きで、僕と一緒にいた。おしとやかだけど、おてんばなところもある。
しっかりしているかと思えば泣きべそだったり、表情豊かな人……

「……のび太さん?」

その人は……

「……しずかちゃん……」

駆け寄る彼女に、僕は立って迎えた。

「……ゴメンね、急に呼び出したりして……」

「ううん。ちょうど仕事が終わったからいいの」

僕達は、ブランコに座っていた。
風は肌寒いけど、それでも気にならない。

「……それで、どうしたの?」

しずかちゃんは、俯きながら僕に訊ねて来た。

「……うん、この前のことなんだけど……」

「この前……雪山のこと?」

「そう、それ。……実はね、あれ、僕じゃないんだよ」

「……え?」

突拍子もないことを言ったからか、しずかちゃんは僕の顔を注視する。
そんな彼女に、僕は続けた。

「……あれはね、僕だけど僕じゃないんだ。あれは、子供のころの僕なんだよ」

「……どういうこと?」

「子供のころ……まだ彼がいたころ、僕はキミが将来遭難することを知ったんだ。それを見た僕は、彼にお願いして、キミを助けに行ったんだ。
雪山なのにコートを着ていたのは、雪山のことをよく知らなかったから。突然姿を消したのは、タイムマシンで帰ったから。
だからあれは、今の僕じゃないんだよ」

「……う、うそ……」

しずかちゃんは、表情を硬くした。その顔を見たら、心が締め付けられた。
それでも、僕は続けた。

「……でも、子供の僕がキミに言ったことは、嘘じゃないんだよ」

「……え?」

――そして僕は、意を決した。

「……僕は、ずっとキミに憧れていたんだ。その気持ちは、今でも持ち続けている。キミは、僕にとって大切な人だよ」

「……のび太さん……」

二人を包む空は、更に夜の色を濃くしていく。

「――でも、僕には今、付き合ってる人がいるんだ」

「……どういうこと?」

「その人は、とても明るくて、とても元気なんだけど、時々おっちょこちょいなんだ。まるで子供の僕みたいだろ?
最近だと、物凄く寂しがり屋で、心配性なんだ」

「………」

「その人ね、見ていると、どこかほっとけないんだよ。――僕が、守ってあげたいって思うんだ……」

「……それって……」

「……うん。僕は、その人を守ってあげたい。その人と、一緒に過ごしていきたいんだ。
キミを大切に思うことに嘘はないよ。キミは、大切な友達だからね。……でも僕が、一緒に過ごしていきたい人は、その人なんだ。
――だから、キミの気持ちには応えられない。応えられないんだ……。ごめん―――」

「……ひぐ……ひぐ……」

しずかちゃんは、声を押し殺すように、涙を流していた。それが酷く心を痛めさせる。
それでも僕は、彼女の想いに応えることは出来ない。

その時、僕は公園の入り口にいる彼の姿を見つけた。
その姿を見た僕は、涙を流す彼女に声をかける。

「しずかちゃん。僕には、キミを幸せにすることは出来ないんだ。
――でもね、キミの幸せを心から願っている人がいるんだ。あそこに―――」

「……え?」

しずかちゃんは、僕が指さした方向に目をやる。そして、声を漏らした。

「……出木杉さん?」

「……しずか……」



ついにのび太、漢になる!
怒涛のクライマックス
あと2話で終わり

じゃ、
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