in the place...

in the place...(現場で) また、いつか会う人のためにも、これから出会う人の為にも、そんな出逢ったときの話のネタにして欲しくて・・・。 全ては、in the place.現場で起きています。

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The another story of ...#The Last

翌日の仕事は、かなり早めに終わった。
咲子さんは舞さんと食事に行くらしく、誘われたが断った。
姉妹水入らずの食事会に、僕が言ってはアレだろうし。

家に帰ったころは、空は黄昏時だった。
茜空を見上げた後、アパートの階段を上る。

――ふと、僕の部屋の前に、何かが立っているのを見つけた。

「あれは……」

少し早歩きに、その場所へ向かう。
そこにいたのは、ペットボトルくらいの大きさのロボットだった。
服装は執事のような恰好をしている。しかし全身かなりボロボロで、ところどころ錆びていた。

そのロボットは、僕が目の前に立ったところで、深々とお辞儀をした。

「……のび太さん。待っておりました……」

「……僕を?」

「はい。あなたに、お話があります。――私の主人、ドラえもん様の件です……」

「―――ッ!?ドラえもん!?」

ロボットは、静かに頷いた。

「それでですが、差支えなければ、少々お時間をよろしいでしょうか……」

「……うん」

ロボットに案内されたのは、僕と咲子さんが来た、高台にある公園だった。
周囲に人の姿はない。いるのは僕と、ロボットだけだった。

ロボットは僕に正対し、話を始めた。

「……このようなところまで連れて来たことを、深くお詫びします」

「それはいいんだ。……それより……」

「はい。……もうお気づきかもしれませんが、私は、ドラえもん様が取り出した道具なのです」

「やっぱり……」

「今より10年前、家にいたドラえもん様に、とある通知が届きました」

「……通知?」

「はい。……ドラえもん様の時代で制定された、異時空軸接触禁止法の件です」

「……異時空軸、接触禁止法……」

「増加する時間犯罪を抑止するために制定された法律です。その法律により、特別の許可を得た人物以外の、タイムトラベルは全面的に禁止されました。
――当然、ドラえもん様についても例外ではございませんでした」

「そ、それじゃ……」

「そうです。ドラえもん様は、未来に帰られたのです」

「……で、でも、どうして忽然と……」

「その法律は、過去、未来との接触の一切を禁止する法律。罰則者には、重い刑罰が科せられます。
接触の一切とは、文字通り全てのこと……写真も、痕跡も、そして、記憶さえも残すことは許されません」

「で、でも!僕は……僕達は、覚えているよ!?彼のこと……ドラえもんのことを!!」

「はい。……それは、特例的に残すことが許されたからです」

「……特例的?」

「はい。ドラえもん様は、これまで幾度となく、時間犯罪を防ぎ、世界の危機を救ってきました。その功績が考慮され、一切の痕跡を消す中で、関係者の記憶を残すことが許されました。
ですから、写真等は全て処分しながら、のび太さん達の心には、ドラえもん様が残り続けていたのです……」

「………」


584:◆9XBVsEfN6xFl: 2014/08/13(水)23:31:04ID:H3kqmpeHo
「――そして、特例的に認められたことは、もう一つあります」

「……え?もう一つ?」

「……それは、ひみつ道具を、一つだけこの時代に残すことです」

「じゃ、じゃあ……」

「そうです。そこで残されたのが、この私です」

「………」

「私は、執事ロボット。主人の依頼を、厳正に守るロボットです」

「………」

「ドラえもん様は、悩みました。何をこの時代に残すべきか。何を残せば、のび太さんの助けになるか……残されたわずかな時間の中で、ドラえもん様が選ばれたのが、この私です。
そしてドラえもん様は、私に、手紙を託されました。そして、こう言いました。
『この手紙のそれぞれが、のび太くんが一番必要だと判断された時に、届けてほしい』と……」

「じゃ、じゃあ……これまで手紙を届けていたのは……」

「はい。私です。手紙は私に備え付けられた四次元バッグに収納され、色褪せることなく保管され続けていました」

「………」

「……そしてこれが、ドラえもん様からの最後の手紙です……」

そしてロボットは、僕に一通の手紙を差し出してきた。

―――――――――――――――――

のび太くんへ

この手紙を読んでいるということは、執事ロボットから全部聞いたと思う。

ごめんね、のび太くん。黙って帰ってしまって。
本当は、僕もずっと一緒にいたかったんだけど、だめなんだ。

大した道具を残せなくてごめんね。
ジャイアンに虐められても、仕返しできなくてごめん。
スネ夫にバカにされても、見返すことができなくてごめん。
しずかちゃんに嫌われても、機嫌を戻させることもできなくてごめん。

それでもキミなら、きっと、色んなことを乗り越えてこれたと信じてるよ。
だって僕は、誰よりもキミのことを知っているから。
大切な、友達だから。

キミといた時間は、僕にとって、すごく幸せで、すごく大切な時間だったよ。
僕は、キミと出会えて、本当に良かった。キミと友達になれて、本当に良かったよ。
この気持ちは、キミとの思い出は、未来に帰っても忘れないよ。
ずーっと、僕の宝物だ。

最後になるけど、のび太くん、どうか、元気でね。どうか、幸せにね。

僕は、未来から、ずっとキミを応援してるからね。
それを、忘れないでね。


――――――――――――――――――――――――――

「――ど、ドラえもん……!!」

ドラえもんの手紙を読み終えた僕は、その場で蹲った。彼の涙で滲んだ手紙を握り締めて、僕もまた涙が止まらなくなった。

「……そんなことない……そんなことないよ……!!
キミが残したものは、これまでのどの道具よりも素晴らしいものだった!!……僕を……助けてくれた……!!
キミの手紙があったから……僕は……頑張ることが出来たんだよ……!!」

ドラえもんの記憶が、頭の中に甦る。

一緒に笑ったこと、泣いたこと、びっくりしたこと、怖がったこと、遊びに行ったこと、ご飯を食べたこと、ジャイアンの歌を聞いたこと、ケンカしたこと……
その全てが僕を包み、その全てが、止めどなく涙を流させる。

とても暖かい涙……とても寂しい涙……そして、止めどない感謝の涙……それが全て入り混じり、僕は泣き続けた。

「……ドラえもん……ありがとう……ドラえもん……!!」

遥か遠くにいる彼に向けて、必死に声を出す。震えながらも、うまく出なくても、必死に言い続けた。
彼への感謝を。そして、別れを。

ロボットが見守る中、黄昏が空を染める中、僕はドラえもんに、最後の別れをした。

~数年後~

「―――のび太!!咲子の準備が終わったぞ!!」

けたたましい叫び声を上げながら、舞さんは部屋に入って来た。

「ちょ、ちょっとちょっと!ノックぐらいしてくださいよ!!」

「細かいことを気にしない!!……へえ……似合ってるじゃないか……」

舞さんは、僕のタキシード姿をじろじろと眺めながらそう言った。

「……馬子にも衣装とは、よく言ったものだ」

「ありがとうございます。……それより舞さん、その手に持っているビールは何ですか?」

「あ?ああ、これか……飲む前の、景気付けの一杯ってところだ」

「いやもう飲んでるじゃないですか……。
ホント、酒の飲み過ぎはよくないですよ?……そんなんだから、また彼氏に逃げられ―――」

――ボクッ

言い終わる前に、顔面に舞さんの拳が突き刺さる。

「……殴るぞのび太」

「……も、もう殴ってます、舞さん……」

「……まったく……式の前に、顔面に青あざでも出来たらどうするんだ……」

「いやいや、殴ったのは舞さんであって……」

「――ほらほら!無駄話をしてる暇があるなら、とっとと行くぞ!」

舞さんは話を終える前にとっとと部屋を出ていった。
……これは、逃亡したか……

何はともあれ、僕は咲子さんの元へ向かう。
今日は、僕らの結婚式だ―――

「……咲子さん?」

ドアを開くと、目の前にはウエディングドレスを着た彼女がいた。

「あ、のび太くん……」

ドレス姿の彼女は、とても綺麗だった。なんだか、感無量。

「……どうかなのび太くん。変じゃない?」

彼女は少し照れ臭そうにそう訊ねる。

「ううん!全然変じゃないよ!……本当に、綺麗だよ……」

「あ、ありがとう……」

「……」

「……」

僕達は向かい合い、互いに顔を隠すように表情を伏せる。なんだか、すごく恥ずかしい……

「――ああ、お二人さん?そろそろ行かないと始まるぞ?」

そんな中、舞さんの呆れるような声が響いた。

「え!?あ、うん!……のび太くん……」

「うん。行こうか……」

僕らは手を繋ぎ、部屋を出た。
そして、みんなが待つ式場へと向かって行った。


「―――おめでとう!!」

「幸せになれよ!!」

晴れ渡る空の下、式を終えた僕らを、みんなが出迎えた。
紙吹雪が舞い、祝福の声と拍手が僕らを包む。
僕らは照れながらも、頭を下げて今日という日を迎えれたことを、みんなに感謝した。

―――ふと、僕は、式場の入り口に立つ何かを見つけた。

みんなが僕らに注目する中、入り口で、満面の笑みを浮かべて僕らを見守る、青いその姿―――

(あ――――)

すると祝福していた人が、一瞬彼の姿を隠した。そして再び入り口が見えた時、そこには、誰もいなかった。

(……あれは……)

「……?のび太くん、どうかしたの?」

咲子さんは、僕の顔を覗き込む。彼女の顔を見て、僕はもう一度笑みを浮かべた。

「………いや、なんでもないよ。なんでも……」

「……?」

不思議そうな顔をする彼女だったが、僕が笑うと、すぐに笑みを取り戻した。

(……見に、来てくれたんだね……。僕、幸せになるよ―――)

空を見上げながら、彼に言葉を送る。

澄み切った空は、まるで彼のように、どこまでも青かった―――――




終わり
story from
のび太「ドラえもんが消えて、もう10年か……」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1407666476




本来のストーリーとは全然違う、のび太のサイドストーリー
いかがでしたでしょうか?

誰にでもある、あの日、あの時、あの場所で
どこか懐かしく、どこか物寂しい

そういえば10年前って・・・。

俊、泰子、アルペンin飲み屋
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